ネガティブプロンプトの書き方|指・顔・文字に効くかをComfyUIで4枚ずつ比べた
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ネガティブプロンプトは、指の崩れには「手を隠すポーズに変える」形で効き、看板やTシャツの文字には効きませんでした。同じシード値で、ネガティブプロンプトだけを入れ替えて4枚ずつ比べた結果です。
もう1つ大事なのは、cfg を 1 にして動かすモデルでは、ネガティブプロンプトに何を書いても画像が1画素も変わらないこと。書く前に、自分の設定でネガティブプロンプトが効くかどうかを確かめるのが先でした。
先に結論:効いたもの・効かなかったもの
ネガティブプロンプトに書いた言葉ごとの結果です。どれも RealVisXL V5.0(cfg 5)で、同じシード値の4枚を「書かない」「書く」で並べています。
| 消したかったもの | ネガティブプロンプト | 結果 |
|---|---|---|
| 指の崩れ | extra fingers, missing fingers, fused fingers, bad hands, deformed hands | 崩れは消えたが、手を振るポーズが4枚とも手を隠す・顔に添えるポーズに変わった |
| 顔の崩れ | deformed face, distorted face, bad eyes, asymmetrical eyes, blurry face | もともと崩れていなかった。メイクが濃く、大人っぽい顔に変わった |
| 看板・Tシャツの文字 | text, letters, words, watermark, logo, signature | 消えなかった。強めても消えない |
| よく出回る長い定型文 | lowres, bad anatomy, bad hands, text, error, missing fingers … | 指の言葉を書いたときと同じ変化。足りない分を補う効果は見えない |
| (cfg 1 のモデル) | extra fingers, missing fingers … | 画像が1画素も変わらない |
ネガティブプロンプトは、出てほしくないものを消す「消しゴム」というより、絵全体を「その言葉から遠ざける」向きに押す力でした。だから、言葉と関係する部分(指・顔・文字)だけがきれいに直るのではなく、ポーズやメイクまで一緒に動きます。
ネガティブプロンプトとは
ネガティブプロンプトは、画像生成で「出てほしくないもの」を書く欄です。ComfyUI や Stable Diffusion の画面では、ふつうのプロンプトの欄とは別に、もう1つ文字を入れる欄があります。
ChatGPT(GPT Image)には、この欄がありません。ChatGPT で「〜しないで」と頼む書き方は、公式ガイドのコツを試した記事で触れています。
ネガティブプロンプトが効くかどうかを決めるのは、cfg(プロンプトにどれだけ従わせるかの数字)。画像生成の部品を公開している Hugging Face の説明書には、プロンプトに従わせる仕組みは cfg が 1 より大きいときだけ働き、ネガティブプロンプトはその仕組みを使わないときは無視される、とあります。
比べ方
比べたのは、写真向けのモデル RealVisXL V5.0(RealVisXL V5.0 のモデルのページ)です。ネットのサービス Comfy Cloud の上の ComfyUI で、30ステップ・cfg 5・dpmpp_2m_sde・karras、832×1216 の縦長で作りました。
シード値(乱数の種)は 101・202・303・404 の4つに固定しています。シード値が同じなら、ネガティブプロンプト以外はまったく同じ条件なので、4枚の違いはネガティブプロンプトの効き目だけ、ということになります。
指の崩れ:消えたけれど、手を振らなくなった
まずは、手を両方上げて指を開き、カメラに手を振るポーズ。指が崩れやすい構図です。
ネガティブなしネガティブプロンプトは空欄
4枚のうち2枚で手が崩れました。1枚目は2つの手が重なって、指が何本あるか分からない形。2枚目は、くちびるに当てた指先から白いかけらが出ています。3枚目は両手をあごに当てるだけで、指を開いて手を振っていたのは4枚目だけでした。4枚目の両手は、どちらも指が5本です。
そこで、指の崩れの言葉をネガティブプロンプトに入れました。
ネガティブあり指の崩れの言葉を書いた
崩れた手は、4枚とも消えました。……ただし、手を振るポーズもいっしょに消えています。髪に手を添える、頬に片手を当てる、袖の中で手を握る。4枚とも、指を全部見せないポーズに逃げました。
ネガティブプロンプトが「崩れた指」から絵を遠ざけた結果、いちばん近道だった「指をあまり見せない」に寄ったんだと思います。手を振る絵が欲しい人には、これは直ったとは言えません。メイクも少し濃くなり、顔立ちが大人っぽく変わっています。
顔の崩れ:もともと崩れず、メイクだけ変わった
顔が崩れやすいのは、顔が小さく写る遠くの全身です。ところが、far away・small in the frame と書いても、RealVisXL は太ももから上の構図にしかしてくれず、顔の小さい絵になりませんでした(この話は裏側で)。そのまま、顔の崩れの言葉を入れて比べています。
ネガティブなしネガティブプロンプトは空欄
ネガティブあり顔の崩れの言葉を書いた
書かない4枚も、顔はもともと崩れていません。書いた4枚で変わったのは、メイクでした。くっきりした眉と目元、赤いリップ。目がアーモンド形に整って、雑誌のモデルのような顔に寄っています。
崩れを消すというより、「整った顔」の方へ全体が押された感じです。素朴な顔のまま崩れだけを防ぎたいときは、顔の言葉を入れると、かえって狙いから離れるかもしれません。
文字:ネガティブプロンプトでは消えなかった
看板とポスターの並ぶ店の前で、プリントのTシャツを着た4枚。読めない文字がたくさん出ます。
ネガティブなしネガティブプロンプトは空欄
看板もポスターもTシャツも、読めない日本語のような文字だらけ。ここに、文字の言葉を入れます。
効かなかった文字の言葉を書いた
全然消えねー・・・。Tシャツのプリントが写真や顔に変わった枚もありますが、看板とポスターの文字はそのまま残り、Tシャツにも英語のようなでたらめな文字が残っています。言葉を強める書き方((text, letters, words:1.6) のように数字で重みを付ける)でも、ほとんど同じ4枚でした。
ふつうのプロンプトに「看板とポスターの並ぶ店」「プリントのTシャツ」と書いているのに、ネガティブプロンプトで文字だけ消すのは無理がある、ということです。そこで、ふつうのプロンプトのほうを「無地の白いTシャツ」「無地の木の壁」に書き換えました。
ネガティブなしふつうのプロンプトを無地に書き換えた(ネガティブは空欄)
文字は4枚とも消えました。ネガティブプロンプトは空欄のままです。文字を消すいちばんの近道は、文字が出る物を書かないことでした。
よく出回る長い定型文は、指の言葉と同じだった
ネットでよく見かける長いネガティブプロンプト(lowres, bad anatomy, bad hands … で始まる定型文)を、手を振る4枚に入れました。
ネガティブありよく出回る定型文を書いた
指の言葉だけを書いたときと、ほぼ同じ4枚です。手は髪や頬に添えられ、指を開いて振る手は1枚もありません。書いた量が5倍になっても、増えた効き目は見えませんでした。
定型文は、昔の Stable Diffusion のモデル向けに広まったものです。今の写真向けのモデルでは、言葉を増やしても同じ方向に押すだけで、狙いの絵からは離れていくだけでした。必要な言葉だけを書くほうが、何が効いたかも分かりやすいです。
裏側:cfg 1 のモデルでは、1画素も変わらなかった
このサイトでよく使う HARUKI_MIX ZIT2606Real(HARUKI_MIX のモデルのページ)は、9ステップ・cfg 1 で動かすモデルです。同じ手を振るプロンプトで、ネガティブプロンプトを入れた4枚と入れない4枚を、同じシード値で作りました。
ネガティブなしネガティブプロンプトは空欄
効かなかった指の崩れの言葉を書いた
同じ画像です。並べて見比べただけではなく、画素の差を計算しても、4組とも差は0でした。ネガティブプロンプトを読んでいないのではなく、cfg 1 では計算に使われないからです。
ちなみに、HARUKI_MIX のほうは、ネガティブプロンプトなしでも、4枚とも両手の指が5本ずつで、崩れはありませんでした。崩れにくいモデルを選ぶほうが、ネガティブプロンプトより確実に効きます。
far away と書いても、遠くの全身にならなかった
顔の崩れを試すために、顔が小さく写る遠くの全身を作ろうとしました。far away、small in the frame、wide shot taken from across the street、her whole body from head to toe visible。どれを書いても、RealVisXL は太ももから上の、顔の大きい構図で返してきます。
ネガティブプロンプトの記事なのに、ふつうのプロンプトで負けました。人物の写真で学習したモデルは、人を大きく写す構図に強く引っ張られるようです。遠くの全身が欲しいときは、構図を骨組みで渡す方法(ControlNet)のほうが早いと思います。
よくある質問
ネガティブプロンプトのおすすめの書き方は?
この記事の結果では、消したいものに直接関係する言葉だけを短く書くのがいちばん扱いやすいです。長い定型文を入れても効き目は増えず、どの言葉が効いたのか分からなくなります。
ネガティブプロンプトが効かないのはなぜ?
まず cfg を確かめてください。cfg 1 で動かすモデル(数ステップで作る高速なモデルに多い設定)では、ネガティブプロンプトは計算に使われず、何を書いても画像は変わりません。cfg が 2 以上なら効きますが、ふつうのプロンプトに書いた物(看板・プリントのTシャツなど)は、ネガティブプロンプトでは消えにくいです。
指の崩れを直すには?
ネガティブプロンプトを入れると崩れは減りますが、手を隠すポーズに変わりがちです。指を見せたいときは、崩れにくいモデルを選ぶ、手の形を骨組み(ControlNet)で渡す、崩れた部分だけを描き直す、のほうが狙いのポーズのまま直せます。
やりたいことから選ぶ書き方
| やりたいこと | 書き方 | この記事での結果 |
|---|---|---|
| 指の崩れを減らしたい | ネガティブに extra fingers, missing fingers, fused fingers, bad hands, deformed hands | 崩れは消えたが、手を隠すポーズになった |
| 指を開いたポーズのまま直したい | 崩れにくいモデル・骨組みで手の形を渡す | HARUKI_MIX はネガティブなしで8本とも5本指 |
| 文字を消したい | ふつうのプロンプトを無地の物に書き換える(plain white T-shirt・plain wooden wall) | 4枚とも文字が消えた |
| 顔を整えたい | ネガティブに deformed face, bad eyes … | メイクの濃いモデル顔に寄った |
| ネガティブが効くか確かめたい | cfg が 1 より大きいかを見る | cfg 1 では1画素も変わらない |



